事業規模の拡大に合わせて社員の増員と考える前に、社員雇用のリスクをしっかりと把握しましょう。近年は働き方の選択肢も増えてきているので、ただ雇用でまかなうのではなく、他の選択も視野に入れておくことが大切です。
まずは正社員雇用のメリット、デメリットを整理しましょう。
正社員雇用のメリット
企業が正社員で雇用するメリットは主に以下の3つです。
- 長期的な人材育成がしやすい
- 柔軟性が確保できる
- 優秀な人材を確保できる
・長期的な人材育成がしやすい
人材の育成にはある程度の時間が必要となります。正社員での雇用では企業、労働者共に長期的な雇用を視野に入れているケースがほとんどです。さらに正社員という雇用形態の方が労働者側は成長意欲をもっていることが多いので、教育がしやすいです。
・柔軟性が確保できる
正社員雇用をせずに必要な時にだけ短期アルバイトや契約社員を雇用するのは、人件費や人材管理の手間を抑えることができますが、急な対応が必要になった時には人手が足りないということになりがちです。正社員がいれば、社内の事にもある程度詳しく、融通も利くため対応への柔軟性が確保できます。
・優秀な人材を確保できる
企業側のメリットと比べて労働者側は正社員のメリットが多いです。そのため優秀な人材を採用するときには正社員での雇用は必須と言ってもいいでしょう。これだけではメリットと言いずらいですが、正社員で雇用された労働者は現状に不満がない限り、他の企業に転職することは少なくなります。
正社員雇用のデメリット
企業側の正社員雇用のメリットは正直あまりありません。一方でデメリットは主にこの2つがあると言えます。
- 簡単に解雇ができない
- 保険や福利厚生での負担が発生する
数ではメリットよりデメリットが少ないですが、ひとつめの「簡単に解雇できない」は非常に大きな問題です。
・簡単に解雇ができない
正社員で雇用した場合、企業には不当な解雇を防ぐためなどの労働者を保障する義務が発生します。問題を起こしても契約社員や派遣社員と違い簡単には解雇ができません。ここが一番の問題であると言えます。
・保険や福利厚生での負担が発生する
雇用では給与の他に企業側が負担をする費用が大きくなります。社会保険料はもちろん、場合によっては賞与や福利厚生費が発生します。
また、こちらの記事では経理を内製化した場合の業務面でのリスクについて解説をしております。
【経理担当者の雇用、実は危険!?】内製化することの3つのリスク
正社員のトラブル事例
正社員を雇用した場合、先程記した通り、簡単には解雇ができません。では、どのようなトラブルが実際に起きるのか。
youtubeでトラブルの紹介をしている動画がありましたので紹介します。
お局社員が会社を支配
こちらの動画では、ある総務担当の社員が会社のお金を私用で使い、勤務歴の長さなどから社内での存在感が大きくなり、会社の運営に支障をきたしております。
実際に経理担当者の横領や、経費の無断使用などは公表されていないだけで、被害にあった会社は多く存在しています。
複数人で会社のお金を横領
こちらの動画では複数人の社員が横領をする様子が描かれています。動画内では証拠を集め、解決ができていましたが、実際にきれいに解決できるケースは多くありません。退職後に横領が発覚するケースや、横領が原因で資金繰りが狂い、倒産に追い込まれることもあります。
まとめ
- 正社員雇用はいかに優秀な人材を長く確保できるかが大切
- トラブルが起きても、簡単には解雇が出来ないのが最大のデメリット
- 採用を考える前に雇用の失敗ケースも学ぶことが大切
経理の不正についてはこちらの記事でも動画で紹介しています。ぜひご覧ください。
【経理の不正を未然に防ぐ】トラブル事例を動画で紹介!